メンテナンス(その26) センサー類(一部)交換 [メンテナンス]
5年くらい前から、50km/h~60km/hで車の流れに乗っていると、壊れた?というくらいギクシャクしてしまいます。
症状としては、アクセルONとOFFを繰り返しようにガックンカックンとなり、クラッチを切らないと走行に支障をきたしています。
ここ数ヶ月はその傾向がかなりひどくなりました。
1.現象
詳細な症状は次のとおり。
・4速、2000rpmでのみ、ギクシャク。ほかのギアで2000rpmでは起こらない。
・症状が発生してもエンジン回転数に変化はなく、一定である。
・エンジンが暖まっていない(水温が上がっていない)状態では起こらない。
・水温が安定すると(エンジンの熱気が出てくると)、徐々にギクシャクしてくる。
2.考察
本現象から、吸気系(エンジンにガソリンを送り込む過程)を疑おうと思いました。
まずは、hayabusaの吸気系制御について、簡単にまとめます。
①HAYABUSAのインジェクション制御とは。
私のhayabusaは2003年製(2002年10月製造刻印あり)。
最新のバイクと比較すると、製造当時のインジェクション制御は簡易的かなと思います。
マニュアルを読むと、hayabusaの基本制御は次のとおり。
↓インジェクション制御図
私のhayabusaは各気筒毎に、2つのインジェクション噴射マップがあるそうです。
マップ1:「低負荷時・・・アクセルを少ししか開けていない状態」(低速時、アクセル一定時)
マップ2:「高負荷時・・・アクセルをガバっと開けている状態」(坂道とか、怒濤の加速時)
これらは、ガソリン噴射量マップの縦軸にあるとおり、
・IAPセンサー(吸気圧センサー): エンジンがガソリン噴射量をどの位、欲しているか
・TPセンサー(スロットルポジションセンサー): アクセルをどのくらい開けているか
これらの2つのセンサーはマップの横軸にあるエンジンセンサー、
・エンジンセンサー: エンジン回転数を検知
を組み合わせて、制御をしているみたいです。
→低負荷と高負荷をどのように判断しているかは、マニュアルが英語なのでわかりませんでした。
私のhayabusaは並列4気筒エンジンなので、
2マップ/気筒 ×4気筒 =8マップ
ということで、上図のとおり、計8つのマップが存在することになります。
しかし、バイクは走行する場所は選べません。
標高が高い場所から、寒い時期、暑い時期など。
なので、上記のマップだけでは、適切なガソリン噴射ができません。
そこで、様々なセンサーから情報を集めて、現時点で最適な噴射量となるように補正を行う必要
があります。
図の上段の3つは、メインのマップ制御のためのセンサーで、上述したセンサーらしいです。
→クランクシャフト位置センサー(2つ目)はエンジン始動時に位置出しするためのセンサ-。
マップ制御には直接用いられていないみたいです。
中段のセンサー(various sensor:いろんなセンサー)が、ガソリン噴射の補正用センサー。
マニュアルを調べると、
・吸気温度センサー:エンジンへ供給されるガソリンの温度
・大気圧センサー: 標高の高低から空気がどのくらい薄くなっているか
・水温センサー: 水冷なので冷却水の温度
・ギアポジションセンサー: 今、何速に入っているのか。(hayabusaは6速まであります)
これらのセンサーによって、補正をしているとのことです。
②推定
上述の①hayabusaの制御 を元に、今回の症状について、私なりの推定をしてみました。
・エンジン回転数は一定である/4速2000rpmのみ → エンジンの機械的な問題はない
・エンジンが暖まってから発生する → 温度依存性が考えられ、センサー類の可能性も有り
以上のことから、センサー類を今回疑ってみました。
症状は、「4速2000rpm付近、エンジンが暖まった以降」ということから、
疑惑1・・・ マップが低負荷時と高負荷時が交互に入れ替わっている恐れがある。
疑惑2・・・ 噴射量補正のためのセンサーがおかしくなり、補正量が変動している恐れがある。
以下は、センサー類の考察です。
センサー1: スロットルポジションセンサー
写真のようにディーラーモードとすると、ポジション表示がメータ上に表示されます。
↓ ディーラーモード設定
ディーラーモードとは、ECUの異常があった場合、メータパネルに代表故障を表示させるモード。
ディーラーモードにするには、後部座席の下にカプラーがあり、それを電気的にショート(短絡)
させると、通常モードからディーラーモードへ切り替わるみたいです。
実際には、白い線で短絡させました。
↓ スロットルポジションセンサーの適正/不適正
メータに、「-C00 」と表示。
-:真ん中に表示されていると適正。ーが上もしくは下に表示されるとずれている表示
C00: Cはエラー表示。 00はエラー無しという表示。
センサー2: ギアポジションセンサー
ニュートラル表示が表示されるので、故障はないと考える。
センサー3: 冷却水温センサー
水温センサーはECUを介して、メータの水温計を表示させています。
メータでは、正常な表示を示しているので、故障はないと考える
センサー4: 大気圧センサー
気圧センサーにより、標高が高い/低いを判定。
もし、高ければガソリンが濃くなるが、排気の煙は無色無臭で特に異常はないので、
おそらく故障はないと考える。
ただし、本事象では温度依存性が確認されています。
本センサーは温度依存性があるので、症状の改善が見られない場合、交換も考える。
センサー5: 吸気温度センサー
これは、エンジン内に吸い込む空気の温度。
エンジンが暖まると症状が発生するので、このセンサーが怪しいと考え、交換とする。
センサー6: 吸気圧センサー
これは、エンジン内にどれだけの空気を取り込むかを負圧計測するセンサー。
エンジンが暖まると症状が発生するので、このセンサーも怪しいと考え、交換とする。
以上から、
まずは、吸気温度センサーと、吸気圧センサーの交換を実施したいと思います。
それでもNGならば、大気圧センサーも交換か・・・
3 センサー交換
センサー購入のため、今回は、2りんかん沼南店で純正部品を注文。
純正注文には、車体番号もしくは、部品番号を伝えなくてはならないとのこと。
あと、前払いとのことでした。
なお、ライコランドはホンダとヤマハのみで、スズキ純正は扱っていないとのこと。
ではセンサー交換作業開始です。
↓交換する箇所
交換する箇所は主に、エアークリーナーボックスに取り付けてあるセンサーです。
作業自体は20分もかかりませんでした。
①吸気温度センサー
まずは作業がしやすい、吸気温度センサーからです。
取り外しには19mmスパナが必要でした。
プラスチックのエアークリーナーボックスのため、締め付けトルクはなく、緩まない程度です。
↓ IATセンサー取り外し
↓ IATセンサーの新旧比較
新旧のセンサー外観。
金属の棒がセンサー部分。だいぶ黒くなっていますが、外見からは異常がどうか不明でした。
あとは、取り外しの逆の手順です。
②吸気圧センサー
こちらは少し奥まっていました。
↓ IAPセンサーの位置
プラスのねじですが、スペースがありませんでした。
そこで、ビット式ラチェットで外しました。
↓ IAPセンサー取り外し
こちらも簡単に取り外しできました。
↓センサーの新旧
こちらも外見上では特に異常は見当たりません。
4 試み走行
2km程度走行。
残念ながら、症状は出ていました。
しかし、ギクシャクの程度がだいぶ弱くなりました!
ひょっとしたら、もう少し走り混みをすれば改善されるかも。
それか、大気圧センサーも交換すれば・・・。
少し様子見です。
いずれにせよ、製造から18年。少しづつセンサー類の予防保全もしなくてはなりません。
ちょうどよい機会だと思い込みます。
→(11/21追記)本日70km位走行しました。かなりギクシャクが無くなり、スムーズになりました。 まだ、トントンという感じで少しだけギクシャク感が残っているので、APセンサー(大気圧セ ンサー)やスロットルボディ周りの負圧パイプを今後交換していこうと考えています。
参考:
IAPセンサー: ¥17、600(税抜き) ←すごく高い!
IATセンサー: ¥1,500(税抜き) ←すごく安い!
<報告> 1ヶ月半経過
・相変わらず、ギクシャク感がトントンという感じで残っております。
・ブローバイガスのホース(クランクケース ブレースホースというらしい)を清掃しましたが、
変化なし。
→18年間、ホースは全く清掃していませんでしたが、ブローバイガスは貯ませんでした。
・今後は、
案1 大気圧センサーの交換
案2 各センサーのカプラー内の端子磨き。接触抵抗が増えている可能性があるため。
を行い、変化をみようかと思っています。
症状としては、アクセルONとOFFを繰り返しようにガックンカックンとなり、クラッチを切らないと走行に支障をきたしています。
ここ数ヶ月はその傾向がかなりひどくなりました。
1.現象
詳細な症状は次のとおり。
・4速、2000rpmでのみ、ギクシャク。ほかのギアで2000rpmでは起こらない。
・症状が発生してもエンジン回転数に変化はなく、一定である。
・エンジンが暖まっていない(水温が上がっていない)状態では起こらない。
・水温が安定すると(エンジンの熱気が出てくると)、徐々にギクシャクしてくる。
2.考察
本現象から、吸気系(エンジンにガソリンを送り込む過程)を疑おうと思いました。
まずは、hayabusaの吸気系制御について、簡単にまとめます。
①HAYABUSAのインジェクション制御とは。
私のhayabusaは2003年製(2002年10月製造刻印あり)。
最新のバイクと比較すると、製造当時のインジェクション制御は簡易的かなと思います。
マニュアルを読むと、hayabusaの基本制御は次のとおり。
↓インジェクション制御図
私のhayabusaは各気筒毎に、2つのインジェクション噴射マップがあるそうです。
マップ1:「低負荷時・・・アクセルを少ししか開けていない状態」(低速時、アクセル一定時)
マップ2:「高負荷時・・・アクセルをガバっと開けている状態」(坂道とか、怒濤の加速時)
これらは、ガソリン噴射量マップの縦軸にあるとおり、
・IAPセンサー(吸気圧センサー): エンジンがガソリン噴射量をどの位、欲しているか
・TPセンサー(スロットルポジションセンサー): アクセルをどのくらい開けているか
これらの2つのセンサーはマップの横軸にあるエンジンセンサー、
・エンジンセンサー: エンジン回転数を検知
を組み合わせて、制御をしているみたいです。
→低負荷と高負荷をどのように判断しているかは、マニュアルが英語なのでわかりませんでした。
私のhayabusaは並列4気筒エンジンなので、
2マップ/気筒 ×4気筒 =8マップ
ということで、上図のとおり、計8つのマップが存在することになります。
しかし、バイクは走行する場所は選べません。
標高が高い場所から、寒い時期、暑い時期など。
なので、上記のマップだけでは、適切なガソリン噴射ができません。
そこで、様々なセンサーから情報を集めて、現時点で最適な噴射量となるように補正を行う必要
があります。
図の上段の3つは、メインのマップ制御のためのセンサーで、上述したセンサーらしいです。
→クランクシャフト位置センサー(2つ目)はエンジン始動時に位置出しするためのセンサ-。
マップ制御には直接用いられていないみたいです。
中段のセンサー(various sensor:いろんなセンサー)が、ガソリン噴射の補正用センサー。
マニュアルを調べると、
・吸気温度センサー:エンジンへ供給されるガソリンの温度
・大気圧センサー: 標高の高低から空気がどのくらい薄くなっているか
・水温センサー: 水冷なので冷却水の温度
・ギアポジションセンサー: 今、何速に入っているのか。(hayabusaは6速まであります)
これらのセンサーによって、補正をしているとのことです。
②推定
上述の①hayabusaの制御 を元に、今回の症状について、私なりの推定をしてみました。
・エンジン回転数は一定である/4速2000rpmのみ → エンジンの機械的な問題はない
・エンジンが暖まってから発生する → 温度依存性が考えられ、センサー類の可能性も有り
以上のことから、センサー類を今回疑ってみました。
症状は、「4速2000rpm付近、エンジンが暖まった以降」ということから、
疑惑1・・・ マップが低負荷時と高負荷時が交互に入れ替わっている恐れがある。
疑惑2・・・ 噴射量補正のためのセンサーがおかしくなり、補正量が変動している恐れがある。
以下は、センサー類の考察です。
センサー1: スロットルポジションセンサー
写真のようにディーラーモードとすると、ポジション表示がメータ上に表示されます。
↓ ディーラーモード設定
ディーラーモードとは、ECUの異常があった場合、メータパネルに代表故障を表示させるモード。
ディーラーモードにするには、後部座席の下にカプラーがあり、それを電気的にショート(短絡)
させると、通常モードからディーラーモードへ切り替わるみたいです。
実際には、白い線で短絡させました。
↓ スロットルポジションセンサーの適正/不適正
メータに、「-C00 」と表示。
-:真ん中に表示されていると適正。ーが上もしくは下に表示されるとずれている表示
C00: Cはエラー表示。 00はエラー無しという表示。
センサー2: ギアポジションセンサー
ニュートラル表示が表示されるので、故障はないと考える。
センサー3: 冷却水温センサー
水温センサーはECUを介して、メータの水温計を表示させています。
メータでは、正常な表示を示しているので、故障はないと考える
センサー4: 大気圧センサー
気圧センサーにより、標高が高い/低いを判定。
もし、高ければガソリンが濃くなるが、排気の煙は無色無臭で特に異常はないので、
おそらく故障はないと考える。
ただし、本事象では温度依存性が確認されています。
本センサーは温度依存性があるので、症状の改善が見られない場合、交換も考える。
センサー5: 吸気温度センサー
これは、エンジン内に吸い込む空気の温度。
エンジンが暖まると症状が発生するので、このセンサーが怪しいと考え、交換とする。
センサー6: 吸気圧センサー
これは、エンジン内にどれだけの空気を取り込むかを負圧計測するセンサー。
エンジンが暖まると症状が発生するので、このセンサーも怪しいと考え、交換とする。
以上から、
まずは、吸気温度センサーと、吸気圧センサーの交換を実施したいと思います。
それでもNGならば、大気圧センサーも交換か・・・
3 センサー交換
センサー購入のため、今回は、2りんかん沼南店で純正部品を注文。
純正注文には、車体番号もしくは、部品番号を伝えなくてはならないとのこと。
あと、前払いとのことでした。
なお、ライコランドはホンダとヤマハのみで、スズキ純正は扱っていないとのこと。
ではセンサー交換作業開始です。
↓交換する箇所
交換する箇所は主に、エアークリーナーボックスに取り付けてあるセンサーです。
作業自体は20分もかかりませんでした。
①吸気温度センサー
まずは作業がしやすい、吸気温度センサーからです。
取り外しには19mmスパナが必要でした。
プラスチックのエアークリーナーボックスのため、締め付けトルクはなく、緩まない程度です。
↓ IATセンサー取り外し
↓ IATセンサーの新旧比較
新旧のセンサー外観。
金属の棒がセンサー部分。だいぶ黒くなっていますが、外見からは異常がどうか不明でした。
あとは、取り外しの逆の手順です。
②吸気圧センサー
こちらは少し奥まっていました。
↓ IAPセンサーの位置
プラスのねじですが、スペースがありませんでした。
そこで、ビット式ラチェットで外しました。
↓ IAPセンサー取り外し
こちらも簡単に取り外しできました。
↓センサーの新旧
こちらも外見上では特に異常は見当たりません。
4 試み走行
2km程度走行。
残念ながら、症状は出ていました。
しかし、ギクシャクの程度がだいぶ弱くなりました!
ひょっとしたら、もう少し走り混みをすれば改善されるかも。
それか、大気圧センサーも交換すれば・・・。
少し様子見です。
いずれにせよ、製造から18年。少しづつセンサー類の予防保全もしなくてはなりません。
ちょうどよい機会だと思い込みます。
→(11/21追記)本日70km位走行しました。かなりギクシャクが無くなり、スムーズになりました。 まだ、トントンという感じで少しだけギクシャク感が残っているので、APセンサー(大気圧セ ンサー)やスロットルボディ周りの負圧パイプを今後交換していこうと考えています。
参考:
IAPセンサー: ¥17、600(税抜き) ←すごく高い!
IATセンサー: ¥1,500(税抜き) ←すごく安い!
<報告> 1ヶ月半経過
・相変わらず、ギクシャク感がトントンという感じで残っております。
・ブローバイガスのホース(クランクケース ブレースホースというらしい)を清掃しましたが、
変化なし。
→18年間、ホースは全く清掃していませんでしたが、ブローバイガスは貯ませんでした。
・今後は、
案1 大気圧センサーの交換
案2 各センサーのカプラー内の端子磨き。接触抵抗が増えている可能性があるため。
を行い、変化をみようかと思っています。