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工具 [バイクアイテム]

最近、バイクの免許を取ったとか、買ったとかいう話が身近にありました。
そこで、メンテナンスをする上で、どういう工具が最低限あればよいだろうかと、ふと思いました。

今回は、工具について、お話をしたいと思います。

お話といっても、バイク屋やディーラーのように専門工具はもっておらず、個人でメンテするレベルの最低限、準備した方がよいと思われる工具を紹介します。

1 工具の大きさ
これはいろんなHPに記載していますので、論理的なことは割愛します。

「作業に適した大きさの工具を選択する」
というのが基本だと思います。

工具には、同じような工具でも、大きく分けて3つの大きさがあります。
 ①6.3SQ(1/4SQ)
 ②9.5SQ(3/8SQ)
 ③12.7SQ(1/2SQ)


使い分けとして、私のイメージを記載します。
 1/4SQ・・・ 狭い隙間で、手で使うような場合に使用。
      概して、小さいトルクしかかかっていない。
      使用レンジは、~2kgm・f未満。(私の感覚です。規定はありません)      
      →バイクではあまり、使用する機会はないような気がします。
       ドライパーのビットを換装するようなタイプです。

 3/8SQ・・・ 腕全体で使うような場合に使用。
       バイクではメインとなる大きさです。主にこのサイズをそろえます。
      使用レンジは、1~6kgm・f。(私の感覚です。規定はありません)      
      →ブレーキキャリパーのボルト、マフラーのボルト、エンジンオイル用ドレインボルト
       など、多数の箇所

 1/2SQ・・・ 体全体で使うような場合に使用。
      大きなトルクがかかっている場所で使用。
      使用レンジは、2~11kgm・f。(私の感覚です。規定はありません)
      → 例:車のホイールのナットの取り外し時の工具がこの大きさです。


2 工具の種類
工具は、使用するネジによって、いろんな種類の工具を使用します。
 種類としては、

  ①ソケットタイプ: いろいろなタイプを換装でき、いろんなネジに対応
  ②レンチタイプ: 専用のネジに対応。いつも使う場合、使い勝手がよい
  ③ドライバータイプ: プラス・マイナスのネジに対応。家庭に一つはあるドライバーです。

工具の種類はいろいろとありますが、どれがよいとか、どれにすべきというのはありません。
基本的には自分が使いやすいタイプでネジを締めたり、緩めたりすればよいのです。


3 主な工具
では、具体的な工具のひとつとして、紹介します。

1)ソケットタイプ
 ①ラチェット

IMG_5040.JPG


  ソケットタイプはラチェットにいろんなタイプのソケットを取り付けて使用します。

  ★ポイント
  ラチェットは、75ギア以上をおすすめします。
  つまり、360度÷75ギア=4.8度 となり、感覚的に細かく感じます。

 ②エクステンションバー

エクステンションバー.JPG

  ラチェットに直接ソケットをドッキングすることもありますが、たいていはこのバーを
  挟みます。

  ★ポイント
   75mが非常に使い勝手がよいです。
   150mmはラチェットを回す際、どこかに干渉してしまい、回しにくい場所での作業時、
   私は使用しています。
 
 ③ソケット

↓ ソケット
ソケット8mm17mm.JPG

↓ 16mm(プラグ用ソケット)
マグネット付きプラグソケット.JPG

↓ HEXソケット
HEXソケット.JPG


 ソケットにはいろんなタイプがあります。
 ソケットとしては、10mm、12mm、14mm、17mmは準備したいところです。
  10mm・・・ナンバープレート関係のボルト類
  12mm・・・ブレーキキャリパーなど、いろんなボルト類
  14mm・・・ブレーキキャリパーなど、いろんなボルト類
  17mm・・・エンジンオイルのドレインボルト類
  16mm・・・プラグ取り付け用で、マグネット付きがおすすめです。

 HEXソケットは、3mm、4mm、5mm、6mmあれば、ほとんどの箇所で対応
 できるかと思います。


 ↓ 使用例: ブレーキキャリパー固定用ボルト付近
具体例3.JPG



2)レンチ
  ソケット式と同様ですが、ソケット式が使用できないような狭隘な空間スペースや
  ラチェットで回すよりもより効率的に回すこともあります。
  ソケットと一緒に装備しておくと便利です。

 ①六角レンチ
  私は、一番多様する工具です。

 ↓ 六角レンチ:
六角レンチ.JPG

  HEXソケットと同じネジに対し、使用します。
  ラチェット式よりも気軽に手で回せます。

  ★ポイント
   主に、3mm、4mm、5mmだけあれば、ほとんどに対応できます。

↓ 使用例: カウルボルト付近
具体例2.JPG


 ②メガネレンチ

めがねレンチ1.JPG

  ソケットと同じネジに対し、使用します。
  狭隘な空間スペースでラチェットが入らないようなところで威力を発揮します。

  ★ポイント
  揃えたいのは、ソケットと同じサイズで10mm、12mm、14mm、17mmあれば、ほとんどに
  対応できるかと考えます。

  また、下の写真のように、15度前後、傾いているのをおすすめします。
  この角度は作業時に結構、恩恵にあずかります。

↓ 15度傾いているメガネレンチ
めがねレンチ2.JPG


 ③トルクレンチ
  これはラチェット式なので、ソケットの項目ですが・・・。

 ↓ 電子式トルクレンチ
トルクレンチ.JPG

  これはメンテナンスをするのであれば、必ず持っておくことをおすすめします。
  よく手で締め付けてOKとしたくなるのですが、(当初、私もそうでした)、ボルトを必要以上
  に強く締め込んでしまい、ネジが悲鳴をあげます。また、緩いと外れてしまうという可能性が
  あり、これはとても危険です。

  自分でメンテナンスするということは、作業不十分による危険リスクを自身が請け負います。
  なので、規定値で確実に締め付けることが重要となります。


  トルクレンチには、機械式と電子式があります。
  バイクでは、2kmg・f~4kgm・fを多様します。

  機械式・・・ 電子式と比較すると、安価。ただし、トルクを設定する範囲が狭い。
  電子式・・・ 高価。ただ、精度がよい、トルクを設定する範囲が広い。

  <参考>トルクの設定例
   エンジンオイル用ドレイン:2kgm・f 程度
   ブレーキキャリパー: 4kgm/f 程度
   Fスプロケットカバー: 1.5kgm・f 程度
  など、1。0~4.0kgm・f程度がメインです。なので、これをカバーできる範囲がほしいものです。

3)ドライバー

  ドライバーには、一般的に3つの大きさがあります。1号、2号、3号に分かれます。
  ↓
ドライバー.JPG

  バイク用としては特にないですが、どうせ購入するならば、貫通ドライバーをおすすめします。
  貫通式ドライバーは尻から、トンカチでたたくことができるようになっています。

その他: 小型のドライバー
↓ 小型ドライバー
マイナスドライバー.JPG

これは、サスペンション調整用に重宝しています。
↓ 使用例: フロントサスペンションの圧側
具体例1.JPG

また、カウルのホールアンカーを外すときにも重宝します。
意外と出番の多い工具です。

4)工具メーカ
 私のおすすめは、”ファクトリーギア”のDEENという工具です。
 比較的安価ですが、質はかなり高いです。

 頻繁に使用する工具について、有名メーカの工具に買い換えています。
 →交換したdeenの工具は車載工具とし、いざという時のアイテムにしています。

 ① KTC・NEPROS:日本メーカ
 ホームセンターに行けば、必ずあるKTCの工具。KTCは精度が堅く質がかなりよい工具ですが、
 (ただし、高価)ですが、さらに質を高めたNEPROSという名を付与したグレードがあります。
 (さらに、高価です。)
 →私は頻繁に使用するラチェットとソケットはこのメーカにしています。

 ↓ ラチェット:NEPROS
 IMG_5016.JPG
 
 ② ko-ken(工研):株式会社 山下工業研究所
  これも日本メーカ。あまり、聞かれない名前ですが、工具専門店には必ず置いています。
  私はHEXソケットを購入。

 ↓ hexソケット:ko-ken
 HEXソケット.JPG

 ③ PB(スイスツールズ): スイスのメーカ
  PBは六角レンチに強いみたいです。手軽な大きさで、手になじみやすく、値段もリーズナブル。

 ↓ 六角レンチ:SWISS TOOLS
  六角レンチ.JPG

 ④WERA: ドイツのメーカ
  手になじみやすく、一工夫ある工具。ネジへの食いつきを追求しているドイツのメーカ。
  かなり高価なので、手が出ません。
  10mmのメガネレンチで、5000円です。
  手のなじみ、質感ともにすごく良いです。ドライバー先端にも一工夫していますが、
  ドライバーはあまり使用しないので、購入は見送っています。

  ↓ 10mmのメガネレンチと4mmのT型六角レンチ:WERA
KIMG0084.JPG


工具は有名だからよいというものではなく、やはり、使い勝手がよい・手になじむのが基本ですので、
何がよいかは自分次第。

なるべく実物を手にして見てからの購入が理想的かと思います。
今一度、工具について考えるのも一興です。

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メンテナンスその27(リアパッド交換:ベスラ) [メンテナンス]

今回はリアのブレーキパッド交換をしました。
これは、ブレーキディスクを交換するための前作業の位置づけで行いました。

↓ リアのブレーキディスクの摩耗状態
Rディスクローター.JPG

写真のようにディスクプレート(板)が削れて、凹んでいます。
これは使用限界の証。

ブレーキディスクのプレート(板厚保)の摩耗限界は、4.5mm。
現在、4.0mmを切りました。

自分ではタイヤを外すことができないため、あらかじめ、バーゲンセールで購入しておいた
ブレーキパッドを交換しておいて、そのうち、ブレーキディスクをオートバイ用品店にて
交換する計画です。
→ブレーキディスクを交換後にパッド交換でもよいのですが、なんとなく。

ということで、
「今回は、リアブレーキパッド交換」
です。

↓ 今回の作業箇所(リアブレーキキャリーパー)
今回作業のリアキャリパー.JPG

リアブレーキパッド&清掃は、H25年10月以来なので、7年ぶりとなります。
まずは、ボルトやカバー外しです。

★ポイント
 ①リアキャリパーには、黒い色のダストカバーがついています。
  プラスチック製で手で簡単に外せます。
  →フロントは金属製のダストカバーでこちらはネジでの固定。
 ②ボルトは12mmレンチでラチェットで外します。
 ③トルクリンク(キャリパー本体につながっている銀色の棒)は14mmレンチで外します。



↓ カバーを外す
E6B19AE3828CE381A6E38184E3828BRE38391E38383E38389-5a46e.jpg

ダストでかなり汚れています。
7年分の蓄積。

★ポイント:リアのブレーキパッド外し
 ①パッドがいきなり落下し、リアホイールを傷つけないように、ホイールをタオルで防護。
 ②スライドピンは2本あります(フロントは1本)。まずは、これを抜きます。
  →βピンがついていますので、ラジオペンチで真下に引き抜きます。
 ③左右のパッドは手で簡単に抜けます。(汚れがひどいので、軍手などを着用)
 ④パッドには、ブレーキパッドシム(金属の薄い板)の落下防止の金具がついています。
  これを手で外します。ささっているだけなので、簡単です。
  →この金具を強引に引き抜かずに。パッドとセットなので、パッドと一緒にキャリパー
   から外すのがよいかと思います。


↓キャリパー洗浄中
キャリパー洗浄中.JPG

ブレーキダストはお湯につけると汚れが浮き出るので、お湯に付け、ひたすら食器用洗剤を使い、
歯ブラシでゴシゴシします。

★ポイント
 キャリパーのピストン稼働部を念入りに。お湯につけ、食器用洗剤をつけてゴシゴシすれば、
 以外と簡単に汚れは落ちます。水では落ちません。お湯です。


↓ 洗浄後のキャリパー
洗浄後のキャリパー.JPG

ケミカル用品を使用していないので、完全には落ちませんが、ピストン周りの洗浄が目的のため、
これでOKとします。

↓ パッド付属品
パッド補助部品.JPG

また、パッドに付属している部品も洗います。
 棒状・・・スライドピン(これはステンレスに交換すると摩耗が少なくなり、よいです)
 β状の金具・・・ βピン。フロントと異なり、特殊な形をしています。
 線状の金具・・・パッドスプリング。パッドとシムを固定する金具。
        注意:インナー側とアウター側ということで、ホイール側とマフラー側の向きあり。
           私は意識していないので、反対につけてしまった?
 薄板・・・ パッドシム。これがないと、走行中にキーキーうるさいです。薄板ですが、大事な部品。
 ボルト類・・・ ボルトはタップ(溝)があるかと思います。
     →この溝にゴミ(緩み止め液の残骸)があるので、このゴミもきちんと抜き取るのが大事
      です。根気がいります。

↓ ブレーキパッドの新旧
Rブレーキパッド新旧.JPG

取り出したブレーキパッドと、これから取り付けるブレーキパッドです。
残量的には、5割程度、残っているみたいです。

新品が10mmのパッド厚、使用限界は2mmのパッド厚とのことです。
5割程度の残量なので、まだまだ使用はできますが、7年経過しているので交換します。
→メーカ名は不明。前回はレッドバロンにて交換したので、RB汎用品かな。


↓ ベスラ製 Rブレーキパッド
ベスラ.JPG

私としては初のメーカですが、「ベスラ」を選択しました。
ベスラはカタカナですが、歴とした日本の老舗メーカです。

耐久が長いとのことですので、ブレーキダストは少ないと勝手に考えました。
ダストがひどいと、すぐにリアホイールが汚れてしまいます。なのでダストが少ない方がいいです。
→本当はENDLESSというメーカにしたかったのですが、ハヤブサ用のリアパッドは販売なし。
 このメーカは車に取り付けていますが、本当にダストが少なく、タッチも純正同様なので、
 お気に入りのメーカです。
⇒その後: ダストは少し多めでした。100kmも走行したら、ホイールはかなり真っ黒です。
      ゴールデンパッドの方がダストは少ない気がします。


↓ (参考)ENDLESSのブレーキパッド(車フロント)
車パッド交換.JPG


↓ シリコングリス塗布
シリコングリス.JPG

ピストンにシリコングリスを塗布して、準備完了。
あとは、指でピストンを押し戻します。(もみだしします)

★ポイント
 ①3本の指で押し込むとゆっくりと沈みます。
 ②あまり、押し込むとブレーキフルードが漏れてきます。フルード液は塗装を溶かすので要注意!
  →少しこぼしてました。塗装、大丈夫かな?


↓ ピストンを戻した状態
ピストンセット.JPG


ハヤブサは、2ポット対抗ピストン。1対が対向で計2つ設けられています。
対向ピストンは少ない入力で、大きな制動力を稼ぐためにとられます。
ライダーを含めると300kgを超える重量車なので、大きな制動力が必要です。

あとは戻し作業です。

↓ パッドをキャリパーに取り付け
Rパッド取り付け.JPG


パッドにもブレーキグリスを塗布し、パッドをセット。
ブレーキキャリパーを取り付ける前に、パッドをセットすると作業がしやすいです。

★ポイント: パッドのはめ込み
 ①キャリパーを取り付けてから、パッドをはめ込むのもいいのですが、スペースが限定され、
  はめ込みずらいです。よって、キャリパーを取り付ける前に、写真のようにパッドをセット
  するのが、よいです。
 ②キャリパーを仮留めし、トルクリンクも仮留めし、位置合わせをし、本留めがよいです。


↓ 取り付け1
キャリパー取り付け.JPG

↓ 取り付け2
キャリパー取り付け2.JPG

キャリパーのボルトの締め付けトルクは、4.0kgm・fです。
トルクリンク(棒状)の締め付けトルクは、3.5kgm・fです。
カバーも忘れずに取り付け、終了。

★ポイント: 復旧
 ①ブレーキを踏み続ける。はじめはピストンが引っ込みすぎているので、ピストンが出てくるまで
  ブレーキをキコキコ踏んでは戻し、再度踏む。
  →これをしないと、ブレーキは全く聞きません。要注意!
 ②ブレーキパッド面には、油やグリスの塗布は厳禁。
  ブレーキ摩擦が発生しないので、全く聞きません!
 ③交換後、数10kmはおとなしく、走行。ブレーキを長めに踏んで、あたりをつける。


作業後のリアキャリパー.JPG

ブレーキをかけて、キーキー音がなるということは、何かの悲鳴です。
きちんと悲鳴を消さないと、ブレーキは傷む一方です。
 音の原因① (グリスアップ)ブレーキグリスが無くなっている可能性が一番大きいです。
 音の原因② (パッドの摩耗)使用限界はおおむね2mm。これを超えるとブレーキの効きが
        悪くなるかつ、ディスクを傷めるそう。命にも関わるので要注意です。
 音の原因③ (ディスクプレートの摩耗)ディスクの使用限界は、プレートに必ず記載されて
        います。溝が大きくなってきたら、一度はチェックを。

以上が思いつく、キーキー音の原因でした。
<トラブル>
※音の原因④ 整備不良・・・パッドシム(薄い板)を正規の向きに取り付けないと止まる直前に
              ギギギという音がします。また、接触面も全ての面ではなく、半分
             程度しか、接触していないことが判明しました。(下の写真参照)

DSC_2972.JPG
  
 取付するときは外す時にきちんと記録し、全く同様に取付るよう、心がけないとダメですね。
 




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